Topics2022/10/27

機械工学実験2
機械力学~圧電素子を用いた物体の固有振動数検出~

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 機械工学実験2の機械力学に関する実験テーマでは,日常生活からマイクロマシンの分野にわたって幅広く使われている材料の圧電セラミックスを用いて,物体の固有振動数を求める実験を行っています.

 圧電セラミックスは小型,小消費電力の材料で,センサやアクチュエータとして使うことができるものです.これを使って,金属棒の持つ固有振動数(一番振動したい振動数)を測定し,その値から金属棒の材料を推定しようとするのがこの実験の内容です.

 この実験では,圧電セラミックスは最初にセンサとして金属棒の振動を測定,次にはアクチュエータとして金属棒を震わせて固有振動数を求めることに使います.
測定には電気信号の時間変化を観察できたり周波数解析機能まで持っているオシロスコープや,圧電セラミックスを動かす信号を発生するファンクションジェネレータなどの卒業研究や実社会でも使う装置を使います.ほとんどの学生さんが初めて使う装置で,うまく共振現象を捉えたときには歓声が上がるなど,楽しそうに実験をしていました.

 振動はその動きを回転に変換してエンジンを回したり,近年では機械や人の動きによって生じた振動を電気エネルギーに変えて発電するなどで活用されています.一方で,振動は機械の破損の原因になり機械製品の寿命に影響することも多いです.そのため,このように材料がもつ振動に対する特性を知ることは機械・電気工学において非常に重要なことなのです.
別テーマの実験についても次の機会にご紹介したいと思います.


機械電気工学科 大惠・髙木