電気電子基礎実験の第13回「PCを用いた計測技術」について紹介します。
これまでの実験では、アナログ計器の指示値を読み取る実験やオシロスコープで波形観測及びデータ収集を行ってきました。
最近では、パソコンに接続するタイプの計測器も身近になってきました。
研究分野では昔からありましたが、装置の価格が高価で、取り扱いも容易ではないため学生実験で使用することは困難でした。
今は幅広い価格帯で売られており、教育用としてラインナップされている装置もあります。
実験では昨年度から導入した「Analog Discovery2」を使用します。パソコンに接続し、パソコンから制御する機器です。
予め学生のノートパソコンに専用のソフトをインストールしてもらい、接続したら直ぐに認識し使用できます。
アプリの操作画面は英語ですが、直感的に操作でき、スマホなどを使い慣れている学生は直ぐに吞み込めていました。
この「Analog Discovery2」は
①オシロスコープ、②ディジタル制御電源、③ロジック・アナライザ、④任意波形発生器、⑤スペクトラム・アナライザ、⑥ネットワーク・アナライザ、⑦電圧計の機能を有し1台7役です。
実験内容としては、以下の4点を行います。
①これまでに使用してきた発振器とオシロスコープを用いて、Analog Discovery2のオシロスコープ機能の確認、任意波形発生機能の動作検証
②Analog Discovery2から任意波形を発生させ、Analog Discovery2のオシロスコープ機能で信号を観測、データ収集
③信号分析機能・スペクトラムアナライザを用いて正弦波と方形波の周波数分析
④PWM信号によるLEDの点灯観察
実験レポートは通常、WORDで作成し印刷したものを提出してもらいますが、今回の実験レポートはPPTにまとめ、グーグルクラスルームを通じて提出してもらいます。様々なレポート作成の形式、レポート提出の形式に触れることも重要ですし、学生のアンケートからも電子ファイルの提出も認めてほしいとの意見も過去に頂きましたので、そのような機会にしています。
以下、電気電子基礎実験(2022年度版)の講義内容です。
第1回:ガイダンス
第2回:計測技術
第3回:オームの法則による抵抗計測
第4回:レポート作成及び添削
第5回:オシロスコープによる波形観測
第6回:交流回路(RL直列回路)を用いたインダクタの理解
第7回:交流回路(RC直列回路)を用いたキャパシタの理解
第8回:ダイオードの静特性測定
第9回:トランジスタの静特性測定
第10回:オペアンプを用いた反転増幅回路の動作理解
第11回:オペアンプを用いた微分回路及び積分回路の動作理解
第12回:強磁性材料の磁化特性の測定
★第13回:PCを用いた計測技術
第14回:実技講習
第15回:発表会
★★機械電気工学科 准教授 若林大輔☆☆