Topics2022/12/23

【電気電子基礎実験】第12回「強磁性材料の磁化特性の測定」

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電気電子基礎実験の第12回「強磁性材料の磁化特性の測定」について紹介します。

これまでの実験では、電気回路の要素、電子回路の要素を行ってきました。
今回は、これまでの実験を踏まえて電磁気学の要素について実験を行います。

電磁気学といっても広いので、強磁性材料の磁気特性について座学と連携した実験を行います。

実験内容としては、コイル中に空芯と鉄心を入れ、それぞれの中を通る磁束を測定する内容です。
商用電源に接続したスライダックにスライド抵抗とコイルを接続し、コイル中に磁界を発生させます。コイルに流れる電流から磁界を計算します。実験ではスライド抵抗はコイルに直列接続されているため、スライド抵抗間の電圧を計測し、抵抗値で割れば電流になります。
次にコイル中に磁束検出用のコイルを巻いた鉄心を入れ、コイルから誘起される電圧を積分回路に入力、積分回路の出力電圧から磁束密度を計算します。
2つの信号をオシロスコープで波形観測し、更にXY表示モードからヒステリシスループを観測することが出来ます。
鉄心と空芯の2種類で同じ磁界中で磁束密度の変化を観察します。

これまでに行った積分回路を活用し、電圧測定から磁束密度に単位変換する方法を修得します。
また、今回の実験回路は、電気回路と電子回路が合わさっており、電流の大きさを考え使用する導線の太さにも注意を払う必要があります。

オシロスコープで波形観測、データ収集した後、エクセルにて単位変換を行います。
①スライド抵抗間の電圧測定結果から、電流に変換、その後に磁界に換算します
②鉄心に巻かれた磁束検出用コイルの電圧を積分回路に入力し、積分回路の出力電圧を測定、その結果から磁束密度に換算します

レポートでは途中式も含めどのように計算したのかも確認し、理解度の確認を行います。




以下、電気電子基礎実験(2022年度版)の講義内容です。

 第1回:ガイダンス
 第2回:計測技術
 第3回:オームの法則による抵抗計測
 第4回:レポート作成及び添削
 第5回:オシロスコープによる波形観測
 第6回:交流回路(RL直列回路)を用いたインダクタの理解
 第7回:交流回路(RC直列回路)を用いたキャパシタの理解
 第8回:ダイオードの静特性測定
 第9回:トランジスタの静特性測定
 第10回:オペアンプを用いた反転増幅回路の動作理解
 第11回:オペアンプを用いた微分回路及び積分回路の動作理解
★第12回:強磁性材料の磁化特性の測定
 第13回:PCを用いた計測技術
 第14回:実技講習
 第15回:発表会


★★機械電気工学科 准教授 若林大輔☆☆