電気電子基礎実験の第11回「オペアンプを用いた微分回路及び積分回路の動作理解」について紹介します。
電子素子には主に「ダイオード」、「トランジスタ」、「オペアンプ」等があります。
電気電子製品には欠かせないものです。
今回は前回の続きとなる実験で、オペアンプを使用した演算回路を組んでもらいます。
まずは前回と同じ「反転増幅回路」を組んでもらいます。前回の実験から1週間が経ちましたが、比較的早く動作させることができたようで、回路結線・素子の取り扱いが上達しています。
その上で、①微分回路、②積分回路を組んでもらい入力信号を正弦波、方形波と加えたときの出力波形を観測しそれぞれの回路の動作を理解してもらいます。
高校の時や大学でも習う「微分積分」。微分積分の原理を理解している人や、理解していなくても暗記している人も多くいると思います。
機械電気工学科の科目においても「微分積分」が多く出てきます。いずれも紙面上の計算で行われますが、現実問題としてどのように微分積分が行われているのか、の答えが今回の演算回路です。
パソコン上でも数値演算できますが、リアルタイムに演算できるのがアナログ回路である演算回路の利点です。
次回の実験では、磁性材料の磁気特性の測定を行います。この中で、鉄心中の磁束密度をコイルを用いて測定します。コイルから出力される誘起電圧をこの積分回路に入力することで、電圧を積分し磁束密度に換算します。このように、演算回路を利用する実験に繋がりますので、今回の実験で演算回路の動作について理解を深めてもらいました。
以下、電気電子基礎実験(2022年度版)の講義内容です。
第1回:ガイダンス
第2回:計測技術
第3回:オームの法則による抵抗計測
第4回:レポート作成及び添削
第5回:オシロスコープによる波形観測
第6回:交流回路(RL直列回路)を用いたインダクタの理解
第7回:交流回路(RC直列回路)を用いたキャパシタの理解
第8回:ダイオードの静特性測定
第9回:トランジスタの静特性測定
第10回:オペアンプを用いた反転増幅回路の動作理解
★第11回:オペアンプを用いた微分回路及び積分回路の動作理解
第12回:強磁性材料の磁化特性の測定
第13回:PCを用いた計測技術
第14回:実技講習
第15回:発表会
★★機械電気工学科 准教授 若林大輔☆☆