Topics2022/08/01

【授業紹介】機械工学実験1-その1-

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3年生前期で開講される「機械工学実験1」では「流体力学」,「機械力学」,「材料力学」の3テーマについて実験を行い,座学で学んだ機械工学の基礎的かつ重要な知識を,実際の作業を通じて身をもって体得することを目的としています.また,実験を通じて測定や観察の方法,報告書のまとめ方などを学んでいます.

今回はその中で「材料力学」のテーマである「材料実験」についてご紹介させていただきます.
材料を機械に用いる上では,どのくらい大きな荷重に耐えられるかを示す強度の他,硬さ,変形量など様々な性質が重要となります.材料実験ではそうした性質を調査し,実験した材料が使用する部品に適切な性質を持っているか明らかにすることが目的の一つです.

1枚目の写真はどちらも,ねじり試験機(写真2枚目)を使って材料をねじりの力を加え,ねじ切った後の丸棒です.材料は上の棒が軟鋼,下の棒が鋳鉄でできていていずれも鉄鋼材料と呼ばれるものです.どちらも主成分は鉄ですが,含まれている炭素の量が違います(軟鋼:0.02~0.3%,鋳鉄:2.1~6.7%).上の軟鋼は平らな断面に,下の鋳鉄はらせん状の断面になっていてそれぞれ違った断面になっていることがわかります.これはそれぞれで壊れる原因になった力が異なっていることを意味しています.この壊れる原因の力について調査・考察を行うことは「力学のスペシャリスト」である機械系のエンジニアの仕事なのです.
残りの2テーマについても次の機会にご紹介したいと思います.

機械電気工学科 髙木