Topics2022/01/07

【特別企画】日本磁力選鉱(株)特別講義

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2022年1月7日、2年生科目「電磁気学2」の講義において
日本磁力選鉱(株)様による特別講義を実施しました。


電磁気学2は磁場の世界を取り扱う科目になります。

若林研究室では2019年より日本磁力選鉱(株)様と共同研究を実施しており、その関係から今回初めての試みとして
電磁気学の学びが産業界とどのように結び付けられるのかの実例を企業の実務の方から直接、講義を行って頂きました。
企業紹介から世の中の課題と要求、どのように取り組むのか、その方向性と実際、講義で学んだ理論との繋がり等を含めて頂きました。

日本磁力選鉱(株)様は福岡県北九州市に本社を置き、磁力を用いたリサイクル機器などの研究開発・製造販売を行っています。
磁選機と呼ばれる装置の研究開発だけではなく金属・非金属のリサイクル事業、近年では廃棄されるリチウムイオン電池からの希少金属(都市鉱山)のリサイクルと幅広く展開されSGDsの観点から持続可能な社会を作るために世の中に貢献されている会社の一つです。


今回、講演の為に業務の合間に時間を割いて資料を作成されたと思います。
本学学生の為にこのような機会を提供して頂き、この場をお借りして感謝申し上げます。

また共同研究に携わっている本学学生の山本雄也君からも研究成果の発表も行ってもらいました。

以下は受講生の感想文を紹介します。


受講生の声(ピックアップ)

「今回の日本磁力選鉱のお話ではこれまでの特別講義とは違い、実際に電磁気学がどのように実社会で利用されているのかを知ることができました。日本磁力選鉱さんは産業廃棄物の選別やリサイクルを行っている企業さんです。産業廃棄物は主に金属と非金属に分かれている。したがって、金属の廃棄物には磁力を使って選別することができる。この企業さんでは実際にリサイクルをする以外に、選別する機械も製造しているということでした。近年の環境問題によってリサイクル、リユース、リデュースの中でリサイクルを担っている企業として、社会に貢献している企業であるという印象を受けました。
今回の講義では企業紹介だけではなく、若林研究室と共同で行っている研究についてもお話がありました。磁気特性を計測するということは磁気の見える化するということだということがわかりました。」

「今回の講義を聴いて、様々な企業があることが分かった。昨今、SDGsの考えにより、リサイクルへの取り組みが盛んになっている。日本磁力選鉱では廃棄物を価値のあるものへリサイクルする取り組みを行っている。廃棄された家電やスラグをもとに、再び鉄やセメントとして利用できるように選別を行ったり、選別するための機械を開発している。このようにリサイクルに重点を置いた企業があることを今回初めて知った。この講義の中で、社員の方が話してくださった身近な小型家電が汎用金属やレアメタルが利用されているため「都市鉱山」として期待されているという話を聞いて、最初はただのごみだと思っていても、見方を変えれば宝になるのだと考えた。持続可能な社会を実現するためには、さまざまな面から物事を見ることができるようになる必要があると感じた。また、選別をする際にいま我々が学んでいる電磁気学の知識が利用されていることや、これまで学習してきた知識を用いて仕組みを説明・理解できるということに驚き、「勉強」が将来やくに立つということを実感することができた。これからも将来役に立つことのみを勉強するのではなく、学習したことを将来役に立てられるように勉強していきたいと思う。」

「今回の講義では、日本磁力選鉱株式会社の事業内容を知り、資源の有効活用の大切さを学んだ。受講前は、社名中の「選鉱」という部分から、鉱物の仕分けを行っている会社であると予想していたため、家電や電池のリサイクル、選別機器の製造・販売なども行っていると知り、驚いた。また、製鋼スラグ、家電中の金属の選別では、写真を見る限り、非常に高い精度で仕分けがされており、技術力の高さが感じられた。磁力選別の具体的な内容では、どのような装置が用いられているかや物体ごとの性質を利用した選別方法についてのお話があった。理論的には常に選別可能な装置であっても様々な要素が複雑に関わることで、いつも完璧な選別が行えるわけではないため、柔軟な対応力やより精度の高い選別機器の開発が求められる難しい分野であると感じた。また、業界の傾向や他社と比較した自社分析により現状を把握し、よりよい選別機器の開発を目指されている姿勢に感銘を受けた。最後の「資源は有限、創意は無限」という言葉も印象に残っている。日本国内での資源循環によって持続可能な社会を目指し、世界的な脱炭素化の流れの中で日本の新しい強みをみつけることが必要になると考える。自分の身の回りから環境に配慮した意識、行動を心がけていきたいと改めて感じた。」


★★機械電気工学科 准教授 若林大輔☆☆