Topics2017/10/28

【若林研究室】卒業研究の紹介~「変圧器模擬鉄心の低鉄損化に関する研究」担当:井手君~

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若林研究室に所属する卒業研究生(4年生)の研究テーマや研究活動についてご紹介します。

4月の研究室配属以降、若林研究室では、一人につき1つの研究テーマで研究活動を行っています。学生自身が責任感を持って活動を行わない限り研究成果を得ることがでないためとても大変だと思いますが、目標を成し遂げられたときの達成感や研究活動を通じてのみ得られる技術・知識も大きいと思います。一つの活躍の場として、9月末に開催された国内学会でも発表を行い、実績を残しています。それが学生自身のモチベーションや自信にも繋がっています。



■■研究テーマ■■
「変圧器モデル鉄心の局所ベクトル磁気特性測定に関する研究」

■■研究担当者(所属)■■
「井手 徹」(本学工学部機械電気工学科電気電子コース)

■■研究テーマ概要■■
省エネルギー社会の実現のため電気機器の一つである変圧器の低損失化を目標に研究を行っています。具体的には、変圧器内部にある鉄心に使用されている「方向性電磁鋼板の低鉄損化」です。電磁鋼板とは電気エネルギーと磁気エネルギーの交換を効率よく行わせる機能性材料で、鉄にケイ素を添加させた物が主流で、変圧器鉄心用に方向性電磁鋼板が、モーター鉄心用に無方向性電磁鋼板が使用されています。

変圧器鉄心の一部では、時間的に方向が変化する回転磁束の発生により鉄損が増加することが知られています。そこで若林研究室では、そのような回転磁束などで発生する鉄損を低減するために「ベクトル磁気特性制御技術」を開発し、その効果について検証してきました。ベクトル磁気特性とは、本学特任教授である榎園正人教授が提唱している磁気特性測定法に関する新しい概念です。

本研究テーマでは、変圧器モデル鉄心に対し、ベクトル磁気特性制御技術を適用させた場合の鉄損特性を明らかにすることを目的としています。

現状の成果としては、本技術の適用前後について変圧器モデル鉄心の局所ベクトル磁気特性の測定を行い、鉄損分布の比較から、適用後では鉄損値が低減していることを実測から明らかにしました。しかし、磁束分布も低減していることから、今後更なる詳細な分析と検討が必要で、本技術の有効性を明らかにしていきます。

9月末の沖縄での国内学会にて、本研究テーマの成果を井手君自身で発表を行いました。


■■井手君のコメント■■
①学会発表を経験して、気がついたことや良かったこと。
『学会という場で、私自身で作成した発表資料を基にこの半年間に得られた研究成果を発表できたことで、大きな達成感を得ることができました。』
②今後の抱負
『これまでに得られている実験結果を詳細に分析し、更に実験を進めて行きたい。納得のいく結果が得られるよう努めたいです。』


卒業まで残り半年ですが、この調子で研究を行い、卒業しても恥ずかしくなく、後輩に繋がる卒業論文を書いてもらいたいと思います。


★機械電気工学科 助教 若林大輔☆